国分寺崖線・野川に注ぐ湧水&ミニ支流たち(1)こんなところに湧水が・・・
2010年 01月 06日
このエリアは「真姿の池湧水群」が環境庁の日本名水百選にも選ばれていて全国的に知られているが、それ以外にもあちこちに湧水があり、野川の水源となっている。訪れてみると、それぞれの湧水からは小さな川が流れ出して野川につながっていた。当たり前といえば当たり前なのだが、下水に注ぐのではなくしっかりと川につながっているのが何だかうれしく、またこの流れを辿るのがなかなか面白かったので、何回かに分けて記事にしていこうと思う。
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まずは国分寺・東元町の住宅街の中にあるという湧水を探す。
国分寺の駅から南西に延びる道を下り、野川の谷を越えて野川に並行する道を南東へ。しばらく進むと、南西からの道沿いに、きれいな水が流れているのに遭遇。細い流れだが、側溝ではなくしっかり水路として作られている。小さいながら一応「野川の支流」とも言えよう。この先が目指す湧水だろう。流れてくる方向へと辿ってみる。
緩やかな上り坂を100メートルほど進むと、水路はその先の路上の柵の中へ消えているように見える。あの柵の中から湧き出しているのだろうか。
近づいてみると、水路は道路を渡り、向かいの家の下で消滅していた。家の中に池がある様子もなく、周囲にも水路の続きはない。この家の下から湧き出しているのだろうか。路上の柵の中も、水路の区間とは違って底面に砂が露出しており、そこからも湧き出しているのかもしれない。湧出量は当時で1日199(冬)〜354(夏)立方メートル。換算すると1分で138〜245リットルとなる。今見る限りではそんなにはなさそうだが、ある程度の水量があることは確かだ。
湧出地点から少し先に行った南側は丘になっており、崖下に三方を囲まれた窪地があった。中にはカバーをかけられたポンプ井戸があり、その奥にも、蓋だけされた井戸があった。あとで調べてみると、近隣の家々の自治会で管理する非常時用の井戸だそうで、湧水を利用しているらしい。場所的に、さきほどの湧水と同じ水脈のような感じなので、もしかすると先ほどの流れはこの井戸から自噴しているのかもしれない。
なお、最初の地点より下流は道路沿いの側溝となって流れたのち、暗渠で野川につながっている。
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つぎに向かったのはこの丘の反対側(南側)にあるという湧水。
丘を回りこむ道を進んでいくと、道路端の土管から水が南に向けて流れ出し、小川をつくっている。水は北側の丘のほうから流れてきているようだ。
水を辿って住宅の裏手に入っていくと、自然なままの水路があった。
更に奥に進んでいく。昔ながら農家風の広い敷地の家と、リオン(補聴器などのメーカー)の工場敷地の境目となっている。水は澄み切っていて、さらさらと流れている。
水辺には鳥の足跡が。水浴びでもしにきたのか。
水はリオン敷地内の丘の下の窪みから湧き出していた。湧出点は橋の向こう側に隠れて見えない。
湧出量は当時で1日22(冬)〜328(夏)立方メートルと冬場と夏場の差が激しい。今は先ほどの湧水よりは水量はありそうだが、どの程度の水量なのだろう。
流れは先程の土管の先でクランチ状に曲がり、小さな暗渠になった後、野川の支流の元町用水に注いでいる。
つぎは元町用水の主水源である「真姿の池湧水群」のほうに向かう。
こんなふうに住宅街の側溝を、きれいな水が、そしらぬ顔で流れていたなんて。さんぽのし甲斐がありそうです。春めいてきたら、行こうかな~と思います。
綺麗な水のせせらぎには心がほっこりします。春には日立中央研究所内の野川水源池の一般公開日もありますので、そんなときにでもぜひ行ってみてください。
冬なので特に鳥が多かったです。シジュウカラやらメジロやらセキレイやらヒヨドリやらが飛び交ってました。写真の転載、了解です!
コメントありがとうございます。地元のお方なのですね。子供の頃にあんな場所で遊んでいたら、いろいろと冒険気分が味わえて楽しそうですね。
野川の源流点は、日立製作所中央研究所の中にあると知っていた当時、仕事で訪ねた際に時間に余裕がありました。
総務部長が、「見学したいところはありますか?」 とおそらく研究部門のどれを見学したいのか、私に聞いたつもりだったのだと思います。
私の即答 「 野川の源流点を拝見したい 」
その時撮影した画像を、ウィキメディア・コモンズ にアップしてあります。( 野川の源流点 で コモンズを検索してください )
リンクになるのか、URL のところにその一枚を入れておきます。数枚はあるはずです。
湧水、灌漑、ダムなど好きで、暗渠に興味を持ち出したところこちらにたどり着きました。
はじめまして。ここは年二回の庭園公開時に見られる湧水地点ですよね。これのさらに奥、返仁橋の北側の湧水地点に近寄って見たいものです。