国分寺崖線・野川に注ぐ湧水&ミニ支流たち(4)貫井神社の湧水と滄浪泉園からの流れ
2010年 01月 20日
新次郎池からの流れの合流点から野川北岸沿いの道を東へ100mほど進んでいくと、旧河道を利用した遊歩道が北に分かれる。少し進むと「湧水の碑」があり、すぐそばから水が湧き出して流れとなっている。後で調べたところでは、この次に取り上げる貫井神社の湧水を引いてきているとのことだ。
水は遊歩道沿いを100メートルほど流れていったのち、少し先で野川に合流している。かなりの水量だ。
合流地点のすぐさきの橋のたもとでも湧水が合流。橋の下に回りこんでいるので見えにくいが、こちらも水量がありそうだ。辿っていくと、道路沿いの側溝から流している様子。
側溝を遡っていくと水は貫井神社から流れ出していた。貫井神社はもともとは湧水を祀った水神社だったという。参道の右手には、ちょっとした滝が作られていて水が側溝に流れ込み、左手にも池があって、滝が落ちている。
滝の水は一段高くなった境内にある弁天池の水から落ちてきている。
弁天池には、かなりの水量の湧水が流れ込んでいる。たどってみると、神社の社殿の裏手の崖下に、湧水口があった。「東京の名湧水57選」にも選ばれている「貫井神社の御神水」だ。石で囲まれた中から水が流れ出している。冬なのに水量は多く、水の流れは早い。
大正後期には神社の前に、この湧水を利用した「貫井プール」がつくられ、1977年まであったという。「貫井プールの碑」が神社の前に立っていた。
滄浪泉園からの流れ
再び野川沿いに戻る。新小金井街道を越えるあたりから川は流路を東から南東へ変える。このあたりは河川敷内に入れるようになっていて、水辺のすぐそばまで近づくことができる。夏場は子供が水遊びしたりもするのだろうか。しばらく進むと、また小川の合流点に遭遇。
水は川沿いの小さな池にいったん溜まった後に注いでいる。池の向こうには暗渠のような道が見える。行ってみると遊歩道になっている。
暗渠かと思いきや、道沿いには湧水の流れる小川が。
辿っていくと道路を横切り・・・
ごく普通の側溝となって・・・・
途切れた先には崖線の緑。
近づいて柵越しに覗いてみると、滄浪泉園の池から流れ出す水が見えた。今回は滄浪泉園が開いていなかったため、外から流出地点を確認するにとどまったが、こちらもまた、東京の名湧水57選に選ばれた湧水がある。園内は国分寺崖線の「ハケ」の地形が保存されており、殿ヶ谷戸庭園と同様、崖下に湧水があるという。
国分寺崖線の湧水を辿るシリーズ、最終回の次回は玉川上水小金井分水の末流の痕跡などを。ちょっと暗渠も出てきます。