どっこい生きてる鈴木用水(玉川上水鈴木新田分水)
2010年 06月 11日
小平団地の東側を南北に伸びる道路の歩道に、ひっそりと古びたコンクリート蓋が続いている。300mほど南には玉川上水の水路。そう、この蓋暗渠は玉川上水からの分水路なのだ。
蓋暗渠の南側は歩道のアスファルトに飲み込まれ、このようにどこへ続いているのかはっきりとわからない。蓋もだいぶ古びていてあちこち壊れ、歩道を通る人も特に気にする様子もない。一見すると、すでに役割を終えた水路の残骸のようにも見える。数百メートル北上すると、蓋は姿を消す。
ところが。道の反対側に渡ってみると、そこから水路が姿を現している。
木板で土留めされた水路には、澄んだ水がとうとうと流れている。
この水路は「鈴木用水」。武蔵野台地上の新田開発のために、今から300年以上昔に、玉川上水から分けられた用水だ。明治時代の初期、玉川上水の通船に伴う取水口の統合により、玉川上水の北側に沿って新堀用水が開削されて以降は、新堀用水から分水されている。
現在玉川上水は小平監視所より下流は再生水が流されているのだが、面白いことに、新堀用水は小平監視所まで流れてきている多摩川の水を取り入れている。これは、用水を今でも現役の農業用水として使っている地域があるためだという。そんなわけで、多摩川上流部で取水された清冽な水が、先のおんぼろの暗渠を通ってここまで流れてきている。
少し下ると、かわいらしい水門が現れる。ここで、左に大沼田用水が分かれていく。
水門の手前に小さな堰があり、水路は等幅に分けられている。澄んだ水が結構勢いよく流れている。
水門を裏側から見るとこんな感じ。大沼田用水の水門の方が立派だ。
二つに分かれた水路。
右側の鈴木用水は、土管で道路の下を抜け・・・
民家の林の中を流れていっている。素掘りの水路がそのまま残っていそうだ。水路はこの先東に進み、西武新宿線花小金井駅の南東に至る。
大沼田用水のほうは、よくあるコンクリートの梁付の水路となって北上し・・・
しばらくすると、再びコンクリート蓋暗渠の中に消えていく。この先、西武新宿線小平駅の東まで続いているはずだ。
小平市内を流れる玉川上水の分水は、今でも水が流されているところが結構ある。そして、水が流れていなくても、素掘りや簡単な護岸の水路があちこちに残っていて、これらを辿っていくのは川の暗渠を辿るのとはまた違った楽しみがある。
水量も多くて、いい景色です!
ここらへんめっちゃ通ってたと思います・・・昔のごにょごにょがごにょごにょで・・・
そうですね!写真では見えにくいですが、水門にはペンキで水面と波の絵が描かれてました。
このあたりの水路は入り組んでいて、どれがどこにつながっているんだか、よくわからなくなってきます。ガリガリ君・・・真夏の武蔵野台地の暑さのなかではとりわけ美味しく感じそうですね~
この分水地点には惚れ惚れしてしまいますよ。ごにょごにょがごにょごにょですか・・・自分にとっても、そんなエリアが思い当たるかも・・・・ごにょごにょ。
小平監視所から玉川上水に寄り添っていたのに、多摩湖線を過ぎると突然いなくなってしまうので、どうなっちゃったんだろうと思っていました。
多摩湖線より東は、いったん暗渠になって玉川上水沿いを少し離れた所から再び姿を現しています。小平市役所のサイトに、わりと詳しく各用水のルートが掲載されていますので、ご参考まで。