石神井川の源流を探して(1)1993年の上流端
2011年 07月 23日
今回は、石神井川の源流部を、18年前に訪問したときの写真からはじまります。
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石神井川は小平市、西東京市、練馬区、板橋区、北区にまたがって流れる、都内北部の代表的な中小河川だ。小平市花小金井南町1-2の小金井公園と小金井カントリー倶楽部の境界の地点に上流端の標識が立っている。ここが現在公式な「上流端」であるが、かつてはその源流はさらに西の、小平市鈴木町であったという。
旧滝野川区のエリアで育った自分にとっては、滝野川の地名の由来となった石神井川は、近所を流れているというわけでは無かったものの、比較的身近な存在であった。小学校4、5年の頃だったか、学生社刊の「北区史跡散歩」旧版に掲載されていた「石神井川の源流」の写真を目にして、いたく関心を惹かれた。
(「北区史跡散歩」(学生社刊 1978年) より)
川と比較できるものが写っていないのでどのくらいの川幅なのかさっぱり見当がつかないが、森の中から流れ出しているのか、水がたまっているのか、いずれにしても自然のままの姿と思われる川の姿がそこには写されていた。これを見て以来、石神井川の源流が気になっていた。
気になったまま時を経て1993年、思い立ってようやくその源流地帯を訪問した。西武新宿線花小金井駅を南側に出て、途中、多摩湖から境浄水場に至る水道管上に設けられた多摩湖自転車道(狭山・境緑道)を経由し南東へ700mほど。鈴木街道の両側を通る鈴木用水の遺構を渡り、都立小金井公園の中央を南北に横切る道に入ると、谷地形が現れる。谷底の、小金井公園への入り口脇に「石神井川 上流端」の標識があった。
標識から東に向かって、梁の渡されたコンクリート張りの水路があった。幅、深さとも意外とあり、白濁した水が流れていた。小平市東部は下水道整備が遅れており、この頃はまだ川に汚水が流れ込んでいたようだ。上流端の雰囲気にはあまりそぐわない汚れた水は、覚悟はしていたものの残念であった。
上流端の標識の西側には小金井公園の敷地に沿ってコンクリート蓋の幅広の暗渠が続いていたので、さらに上流へと遡ってみる。
暗渠を100mほど遡ると、嘉悦大学の境内で蓋がとれた。
その先には、護岸のされていない自然のままの水路が残っていた。
残念ながら、そこを流れる水は先ほどと同じく白濁していたけれど、水路自体は「北区歴史散歩」掲載の写真のイメージに近く、源流にふさわしい。
嘉悦大学と小金井カントリー倶楽部の間を流れる水路を200mほど遡ると、カントリー倶楽部の柵の向こうになってしまった。柵越しには、かなり古そうな、トンネルのような暗渠から流れ出る石神井川が見えたが、その先の様子は木の茂みに隠れてわからない。このときは、ここまで辿って終わった。
次に現地を訪れたのは更に16年たった、2009年。前回と同じく花小金井駅から、上流端の標識へと向かった。
(つづく)
20年近く前は自分のカメラ持ってなかったなあと、ふとさみしかったり。
おひさしぶりです。しゃくじい、言われてみれば、「くもじい」みたいで変ですね。「酌爺」みたいな響き・・・
わたしも関係ないところに反応してしまいますが、「新・東京の自然水」に小平市の鈴木酒造というのが載っていて、探しまくったことを思い出しました。・・・だいぶ前に廃業してしまったようですが。この記事読んで真っ先に思い出したのが酒造・・・住所は小平市小川なので、鈴木町とは関係がないのかもしれませんけどねー。。
ありがとうございます。私の手元のオリジナル版「東京の自然水」にも載ってました。調べたら87年に廃業してしまったそうですね。小川分水のほとりの立地なので、分水を利用していたかも。跡地の一角には「酒蔵児童公園」が。
http://maps.google.co.jp/maps?q=%E5%B0%8F%E5%B9%B3%E5%B8%82%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E7%94%BA1%E2%88%92781&hl=ja&ie=UTF8&ll=35.730486,139.450957&spn=0.001396,0.002325&oe=utf-8&client=firefox-a&gl=jp&z=19&brcurrent=3,0x6018e6cc42ef6ccf:0xee04433352209ab7,0&layer=c&cbll=35.730812,139.451096&panoid=9EHs8aRx-LPmoeNwCn69dw&cbp=12,261.88,,0,13.37
はじめまして(でしょうか?)。ありがとうございます。川や暗渠巡りは空間軸だけでなく時間軸で遡っていくと更に面白いです。