【11/7更新】
末尾に書店でのお買い上げ特典情報を追記しました。お近くの方はよろしくお願いします
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8月に「東京暗渠学」を上梓したばかりではありますが、11月10日に今度はちくま文庫より「はじめての暗渠散歩ー水のない水辺をあるく」を刊行します。こちらは高山英男さん、吉村生さん、三土たつおさんとの共著となります。
お話をいただいた当初は「東京「暗渠」散歩」の文庫化案もあったのですが、カラー写真が多く文庫に向かないとのことから、新たに文庫オリジナルの形で、サイト「みちくさ学会」に私がかつて連載していた記事、そして高山さんのコーディネートにより高山さん、吉村さん、三土さん、本田の4名で連載していたサイト「ミズベリング」の記事を核に刊行することとなりました。もちろんそれらの記事はいずれも大幅にアップデートされていますし、新たな書き下ろしの記事も多数収録されています。
企画構成にあたっては、本著が
(1)サイズの小さい文庫での刊行となること
(2)全国に文庫新刊としてあまねく流通し、(支持をいただければ)文庫の棚に長く残ること
(3)「東京暗渠学」と連続してのリリースになること(当初は9月刊行で2ヶ月連続となる予定でした)
となることから、以下を念頭に置きながら、執筆者4名の間で記事テーマの取捨選択や分担を行い、執筆しました。
(1)入門者向けのコンテンツを多くする
(2)図版や写真に頼りすぎず、文章そのもので読ませる記事を中心とする
(3)土地鑑があまりなくとも読めるよう、土地の固有名詞よりも切り口で読ませる工夫をする
(4)エリアを扱う記事については、なるべく日本各地に広がりを持たせる
(5)「東京暗渠学」とはコンセプトや内容がなるべく重複しないようにする
結果、4名の筆者がそれぞれの持ち味を生かし、腕をふるって書き上げた23本の記事からなる本著は、自信を持って人にお薦めできる仕上がりとなりました。また、さくらいようへいさんの手による表紙イラストも、従来の散歩本とは一味違うテイストになっています。さらに、帯文には泉麻人さんのコメントをいただきました。
私の担当記事は次の8本です。
「暗渠散歩へのいざない」
「蛇行する暗渠」
「排水管の継手と暗渠」
「夜の暗渠歩き」
「暗渠に架かる橋ー大正13年に架けられた四つの橋跡を巡る」
「生きている暗渠ー水路橋や水門へと続く、かつての上水路をたどる」
「玉の井 永井荷風と滝田ゆうー綺譚と奇譚を結ぶ、あるドブ川」
「新宿の秘境・玉川上水余水吐跡の暗渠をたどる」
他のメンバーが書いた記事については、ぜひ本をお手にとって確かめていただければと思います。「東京暗渠学」が対象を東京に限定し、敢えてソリッドで密度を濃くした文体で、東京の暗渠を体系的に捉えることに重きを置いていたのに対し、本著では景観や事物起点の切り口で、文体も軽めだったり叙情的なものを多く掲載しました。「東京暗渠学」の文章とはまた違った印象を持っていただけるのではないかと思います。
ちくま文庫はいわゆるサブカルチャー系に強いという特徴があり、路上観察、トマソン、飲み歩き、赤線・遊郭、ガロ系といったテーマの本が創刊時より数多く刊行されています。今回それらのラインアップの一冊として加わらせていただくことができ、ちくま文庫創刊時より愛読し、ちくま文庫手帳を四半世紀愛用してる身として感慨深い限りです。
暗渠になんとなく興味を持った方から、暗渠ならよく知ってるよという方まで、幅広くお楽しみいただけると思いますので、宜しくお願いします。
ちくま文庫「はじめての暗渠散歩ー水のない水辺をあるく」
11月10日発売
税込821円 256ページ 筑摩書房
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【書店でのお買い上げ特典】
あゆみBOOKS瑞江店:お買い上げの方に著者特製しおり配布
東京都江戸川区瑞江 2-5-1
文禄堂荻窪店:お買い上げの方に著者特製しおり配布
東京都杉並区荻窪 5-30-6
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS):お買い上げの方に著者特製しおり配布
東京都渋谷区神山町17-3
文禄堂高円寺店:お買い上げの方対象に著者トークショー(11/10 19:00〜20:00 予約不要)
東京都杉並区高円寺北 2-6-1
往来堂書店:お買い上げの方に藍染川下りさんぽ会(11/26 午後)参加券(先着10名様)
東京都文京区千駄木2-47-11