東京都内の中小河川や用水路、それらの暗渠、ひっそりと残る湧水や池をつれづれと辿り、東京の原風景の痕跡に想いをよせる。1997年開設の「東京の水」、2005年開設の「東京の水2005Revisited」に続く3度目の正直?


by tokyoriver

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先週告知いたしました暗渠ムック「東京ぶらり暗渠探検 消えた川をたどる! 」
22日より無事書店店頭に並んでいます。
首都圏の主要書店であれば大概置いてあるのではないかとのことで、紀伊国屋書店、三省堂、ジュンク堂、丸善であれば各店舗ともほぼ置いてある様子です。ちなみに旭屋書店の在庫検索をかけてみたら、なんとなんばCITY店やイオンりんくう泉南店、そしてイオン鹿児島店にまで在庫が!鹿児島で買う人はさすがにいないような気が・・・ パターン配本というやつでしょうか?
ムックなので売っている書棚は様々になりそうですが、地図コーナー、旅行/散歩関係の書棚、東京コーナー、雑誌コーナー(東京人や散歩の達人などの近く))といったところに置いてある場合が多いようです。

内容につきましては前回記事をご参照下さい。
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by tokyoriver | 2010-02-26 00:24 | お知らせ | Comments(0)
谷沢川上流部の最後は、砧公園の南側に発し、瀬田5丁目から玉川台2丁目を経て谷沢川に合流する支流を取り上げる。こちらも下流から遡って辿っていこう。

首都高速3号渋谷線の下、谷沢川の暗渠に残る南橋の欄干の近くから暗渠が始まる。谷沢川右岸側から、住宅地の間に、南西に向かって細いコンクリート蓋暗渠がまっすぐ伸びている。途中の区間は、駅への近道なのか意外と人が通っている。
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200メートルほどいくと、暗渠は西南西に向きを変え、道路沿いに沿って流れる。橋の欄干風の構造物が残っている。
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蓋の上はかなりデコボコしているが、近所の人が立ち話をしていたり、上を子供が走ったりしていて、風景に溶け込んでいた。
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道端のU字の側溝が暗渠に接続され、雨水が流れ込むようになっている。暗渠は雨水の排水路として現役のようだ。ただ、蓋はかなりくたびれており、ところどころ車止めが壊れて骨組みの鉄骨が露出したりもしている。
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蓋を横から見てみる。3枚に1枚、車止めが一体となった蓋が置かれている。また、側面には隙間があって、道路上の雨水が水路に流れ込めるようになっているようだ。
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200メートルほど進むと、蓋暗渠はいったん姿を消す。次に姿を現すのは、環8通りの反対側(西側)だ。欄干の遺構の向こう側に、今までの区間よりもやや荒れた感じで蓋暗渠が続いている。
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暗渠は住宅展示場の西側、住宅地との境目に沿って緩やかに蛇行しながら流れている。川端には土が露出して木が生えているところもある。かつては木陰を流れるせせらぎだったのだろうか。
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展示場を抜けると、蓋暗渠はアスファルトの下へと消えていく。
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暗渠は車道の歩道となって、蛇行しながら続く。特に点検孔などがあるわけでもなく、歩道の下がどうなっているのかわからない。
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砧公園の南側、暗渠の出発地点も通っていた首都高速に突き当たる形で、川跡はその痕跡を消す。下流からここまで、その流路は半円を描いてきたことになる。かつてはこの先、砧公園の敷地内にでも水源があったのだろうか。ただ、この支流の谷はかなり浅く、特に環8通りより上流はほぼ平坦だ。この近辺に、特に谷頭地形もみられない。主に雨水などが流れる、排水路的な川だったのかもしれない。
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以上で、長々と続いてきた谷沢川上流シリーズを終わりとする。それぞれの流れを辿って思ったのは、谷沢川の暗渠はある意味、川として現役であること。下水道幹線に転用されることもなく、また流域の下水が分流式で整備されたこともあってか、川を流れる水は基本的に雨水や湧水(残っているのかどうかは不明だが)だけのようだし、本流については、源流地帯から、開渠となるところまで蓋の下で途切れることなく流路がつながっているようだ。
この状態であれば、蓋を開けて再度整備し、流れを復活させることも可能なのではないだろうかと夢のようなことを妄想しつつ、このシリーズを終わりとする。

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用賀駅以北の谷沢川とその支流の流路地図はこちら(goglemap)
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by tokyoriver | 2010-02-24 00:08 | 多摩川の支流 | Comments(4)
今回は、上用賀と用賀を流れる、谷沢川の2つの支流を取り上げる。いずれも下流から上流に向かって遡ってみていく。

田頭溜池からの支流

まずは、田頭溜池からの支流を簡単に。用賀中学校の北東側で、細いコンクリート蓋の暗渠が谷沢川の暗渠に合流している。これが上用賀4-9近辺にあったという田頭溜池からの支流だ。ちょっとわかりにくいが、谷沢川本流は写真左奥から流れてきて、交差点で直角に曲がって手前左に流れており、右奥からの句かって来る道の歩道が支流の暗渠となる。
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合流地点近くの暗渠脇は畑になっていて、コンクリート蓋の隙間にも土が入り込んでいる。上をあるくと結構がたがたと音がする。
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少し北上(北北西)すると、保育園のところで歩道が消え、暗渠は直角に東北東へ曲がっている。
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この先3回、ジグザグに曲がったのち、暗渠は北北西にまっすぐ、用賀住宅に突き当たるまで伸びている。突き当たる手前のあたりに「田頭溜池」があったという。一帯は南に開けた緩やかな窪地となっていて、底に集まる湧水や雨水を溜めていたと思われる。暗渠がひたすら直線に続くだけなので、写真は1枚だけ掲載しておこう。
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天神溜池からの支流

つぎに、上用賀1-8付近にあった「天神溜池」からの支流を遡ってみる。かつては世田谷ビジネススクエア付近で谷沢川に合流していたようだが、現在一帯は再開発で川跡が全く判らない。はっきりと川跡とわかるのは用賀駅北口の商店街の歩道より上流側だ。この歩道、一見普通のちょっと小奇麗な歩道に見えるが、よく見ると点検孔や蓋の継ぎ目があり、暗渠であることがわかる。かなり幅広だし、この色合いなので、最近住みだした人などはまったく気付かないのではないだろうか。
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少し北上(北北西)すると商店街から離れて直角に東北東へ曲がり、はっきりと暗渠とわかるコンクリート蓋となる。暗渠はすぐに、車道沿いを離れて再度北北西に曲がる。ここから急に細くなって暗渠らしさを増す。
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この暗渠は次第に細くなり、通りぬけることができなくなり、住宅街の中で再度直角に東北東へ曲がって、馬事公苑の西側を世田谷通りに抜けるバス通りへと至ると、そこでまた曲がってバス通り沿いの歩道を流れる。暗渠の蓋は歩道に合わせて擬態のように装飾されている。
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上用賀3丁目の交差点で蓋暗渠はいったん姿を消す。十字路で周囲をよく見ると、東側の道路の歩道上に、世田谷区のマークの入った暗渠の点検孔を発見。アスファルトの下に暗渠があることを示している。
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少し進むと、住宅街の中を北へと向かう水路が現れる。水が流れている。
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水路沿いを回り込んで水路の上流端にいってみる。丸く開いた穴から水が流れ出している。水路の両側からも、雨水管から雪解け水が流れ込んでいる。
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水路の基点の向かいは小さな公園となっていて、天神溜池跡の碑が立っている。ここが川の源流だ。こちらのサイトによると、ここの溜池は品川用水からの分水を廃止され水不足に苦しんだ人々が1720年に作り、東の丘の上を流れていた品川用水からの漏水(もしかすると盗水か)を溜めていたという。
1000坪もの広さがあり、3つに分かれていたとか。確かに古い地形図をみても、結構大きく描かれている。
昭和初期の区画整理に伴い埋められてしまい、今ではその面影はないが、周囲は三方が坂となった窪地となっていて、公園の地下には防火水槽がある。もともと水が集まり易い地形だったのだろう。今流れている水は雨水なのか、それともどこかで少しでも水が湧き出しているのだろうか。
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次回、上流部の最終回は砧公園からの支流を。
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用賀駅以北の谷沢川とその支流の流路地図はこちら(goglemap)
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by tokyoriver | 2010-02-20 22:49 | 多摩川の支流 | Comments(4)
谷沢川の4回目は、環8通りから、用賀駅南で川が姿を現すまでを追う。

砧公園北東端の向かいから、暗渠が再び現れる。環8通りから東北東に伸びる道の南側、点字ブロックが配され、遠目には幅広の歩道にみえるが・・・
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近付いてみると、このとおり。点字ブロックは暗渠の蓋の上に、ビニールテープのように無理やり貼り付けられているのがわかる。そして、すぐそばには点検孔の蓋。
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暗渠の幅は更に広くなって、格子状の道沿いにジグザグに曲がりながら流れていく。場所によっては車道とけっこう段差もある。環8通りから4回目に曲がったあとの区間、用賀中学校の北側には、「第六天橋」の欄干が残っている。ぼろぼろで古そうに見えるが、昭和44年竣工と記されている。
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用賀中学校の北東側では用賀住宅方面にあった田頭溜池からの支流(次回とりあげる)と合流し、再度南南東へと曲がる。
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コンクリート蓋の暗渠は用賀中学校の一ブロック先の区画の南側で終わり。直角に東北東に曲がるとともに遊歩道「用賀プロムナード」となる。
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「用賀プロムナード」は沖縄の名護市庁舎などで知られる象設計集団の手によるものだという。様々な形のベンチや、路上の意匠が見られる。水路も作られており、場所ごとに形もいろいろ。
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OKスーパーの西側で遊歩道は終わり、流路は南南東へ。かつては現在世田谷ビジネススクエアのある敷地内を横切っていたようだが、暗渠はそのまままっすぐ首都高速3号渋谷線の下へと向かっている。
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首都高速に突き当たる地点では、道路に暗渠の幅に2本、亀裂が入っている。その先の塀の下の縁石も、暗渠のところだけ違っている。暗渠はこの先高速の下の資材置き場のような場所に入り、外からは見えない。かつてはこのあたりで、左岸(東側)から天神溜池に発する支流が合流していた(次回とりあげる)。
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しばらく進むと、高速の下に橋の欄干が片方だけ残っている。南橋だ。その先は鉄板蓋の暗渠になっていて、上は自転車置き場になっている。90年代前半にはここから先は蓋がなかったような気がするのだが、どうだっただろう。この少し先で右岸(南側)から、砧公園南から発する支流(次々回にとりあげる予定)が合流していた。
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高速に沿って100メートルほど進むと、田中橋交差点のところで川が姿を現す。
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川は高速道路の下を300メートルほど流れた後、高速から離れる。
流路には比較的綺麗そうな水が流れているが、その水の大半は、ここからおよそ2キロ西、仙川が野川と合流する直前の岡本3-40にある浄化施設から導水管でひいてきた水だという(仙川を流れる水自体、三鷹の東部下水処理場の処理水がその水源の多くを占めている)。90年代前半にここを訪れたときは、流れる水は汚れていたような気がするが、導水が始まったのが1994年からだというからちょうど符合する。
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谷沢川本流については、いったんここまでとし、次回、次々回は支流の暗渠を取り上げることとしよう。
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用賀駅以北の谷沢川とその支流の流路地図はこちら(goglemap)
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by tokyoriver | 2010-02-18 22:46 | 多摩川の支流 | Comments(2)
2月3日の記事で触れました暗渠のムックについて、表紙や目次などの詳細情報がわかりましたのでお知らせします。発売日は来週の月曜です。

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東京ぶらり暗渠探検 消えた川をたどる!

出版社:洋泉社
定価:1,260円(税込)
発売日:2010年2月22日
判型:B5判
頁数:112ページ

[目次]

 ※洋泉社のサイトに掲載されているものとは異なります。こちらが確定版だそうです。

□INTRO 暗渠は時空を超えた東京へとつながるタイムトンネルだ!  
□実踏リポート 東京の暗渠をぶらり探検!
 暗渠を歩く1 神田川支流・松庵川をたどる
 暗渠を歩く2 神田川支流・東大下水をたどる
 暗渠を歩く3 神田川笹塚支流(和泉川)をたどる
 暗渠を歩く4 古川に流れ込む三田用水白金分水・白金三光町支流・玉名川をたどる
 暗渠を歩く5 新宿の玉川上水余水吐をたどる
 暗渠を歩く6 目黒川支流・烏山川をたどる
 スペシャル・レポート 都心の暗渠に“Eボート”で潜入!

□「消えた川」はこんなにある! 東京暗渠ガイド21
 1 神田川の支流をたどる
  桃園川/井草川/江古田川/弦巻川/水窪川/蟹川/紅葉川/谷端川・小石川
 2 渋谷川の支流をたどる 
  渋谷川(上流域)/玉川上水原宿村分水/河骨川/宇田川初台支流(初台川)/宇田川/いもり川/笄川
 3 目黒川の支流をたどる 
  北沢川/空川/蛇崩川/谷戸前川/羅漢寺川/品川用水
 4 お濠とその跡をたどる 
  内堀・外堀通り 

□暗渠探しのポイント 地形・地名・遊歩道・銭湯などに注目せよ!
□コラム

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私が担当させていただいたのは、「松庵川」「東大下水」「三田用水白金分水・白金三光町支流・玉名川」と「神田川の支流をたどる」のうちの「弦巻川」「水窪川」、「渋谷川の支流をたどる」の各河川、「暗渠探しのポイント」です。

基本的には「東京の水2005revisited」「東京の水2009Fragments」の記事をベースにしていますが、大部分は再取材を行い、変化があった場所については情報や写真をアップデートしています。またブログ記事と違って川ごとに文章を纏めてありますので読み易くなっていると思います。

考えてみると、暗渠そのものをテーマにした本というのは今までありそうでなかったので、今回の本は、なかなか面白い試みだと思います。果たしてどの程度売れるものなのか・・・。まだ現物を手にしていないので自分の担当以外の記事がどのような仕上がりになっているのかも、楽しみです。書店で見かけることがありましたら、手にとって見てくださいね。(この手のニッチな本は、イマドキはネットルートの方がメインかもしれませんが・・・)

なお、刊行にあわせてイベントも行うとのことです。詳細はこちらを。
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by tokyoriver | 2010-02-15 23:10 | お知らせ | Comments(10)
谷沢川の3回目は、世田谷通りから環8通りにかけての区間を取り上げる。

流路が桜丘から世田谷通りの南側に移って上用賀に入ると、上流に比べ暗渠の幅がだいぶ広くなる。写真奥の白く見えるところは鉄板で蓋をされている区間。手前で再度世田谷通りに接近した後、通りから離れていく。
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マンションの裏手を一直線。
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暗渠の脇に、井戸の跡らしきものがあった。中は土で埋まっていて草が植えられている。もともと掘り抜きの井戸だったのだろう。施された文様は古い井戸でよく見かけるパターンだ。
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道路を渡る。ここから先はずっと道沿いに暗渠が続く。このあたりは大きな鉄板で塞いでであったり、蓋のサイズがまちまちだったり、つぎはぎだったりと、かなりいい加減な感じになっている。
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道路に併せてカクッと曲がる。このあたりは昭和初期の昭和初期の耕地整理で道路が格子状に整備され、川筋もそれにあわせてジグザグに流れている。
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先の地点のすぐそばの駐車場脇にひっそりと、谷沢川湧水池跡の碑が残されている。詳しい説明がまったくないのが残念だ。このあたりに「上の溜池」と呼ばれる池があり、湧水のほか、前回取り上げた上流部からくる水を溜めて農業用水として使っていたという。
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暗渠はさらにカクカクと曲がって進む。谷沢川の暗渠はこの写真のように、道路の横断部がはっきりと残されているのが特徴的だ。コンクリート蓋の形も面白い。
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南に向かって一直線。これだけ大きな蓋なのに、歩いていると、あちこちガタゴト音がして、そのうち抜け落ちるのではないかと不安にもなる。
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そのまま環8通りにつきあたって、いったん暗渠は姿を消す。歩道の下を通っているようだ。
環8の向かいは砧公園。300メートルほど西には、谷戸川の谷がとおっている。
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用賀駅以北の谷沢川とその支流の流路地図はこちら(goglemap)

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by tokyoriver | 2010-02-15 23:00 | 多摩川の支流 | Comments(0)
谷沢川の記事、2回目は本流の源流部、世田谷通り以北の流れを取り上げる。用賀駅以北の谷沢川は、谷というよりも台地に挟まれた盆地にできた、浅い窪地に流れているのだが、この源流部一帯だけは台地に刻まれ3つに分かれたはっきりした谷となっていて、そのそれぞれから川が流れ出している。もっとも東側に伸びる谷がその本流だ。

現在確認できる谷沢川の最上流部は、世田谷通りの東京農大前交差点の北側。いきどまりの未舗装の路地の奥から、コンクリート蓋暗渠が始まっている。すぐ裏手の東京農大前の道沿いは尾根筋となっていて、かつて品川用水が通っていた。そして、この水路は一時期、品川用水からの分水路としても使われていたという。分水が廃止された後も、谷に湧く水には品川用水からの漏水が混じっていたことだろう。また、用水には湧水自体への涵養効果もあったはずだ。
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暗渠はすぐに道をまたいで反対側に移る。跨ぐ部分もしっかりと蓋暗渠が残っている。
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蓋暗渠を横から見ると、所々に道路の水を取り込む穴が開いていて、路上に降った雨水が暗渠の中にしっかり流れ込む作りとなっている。
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道沿いに続く蓋暗渠。一見歩道のように見える。
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暗渠内の点検用の鉄蓋には、世田谷区のマークがあった。
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この先、暗渠は道に沿ってクランク状に曲がり、商店の軒先を通ったのち、住宅地の中へと突入していく。軒先のところでは、暗渠の蓋に隙間があり、中をのぞきこむときれいな水が勢いよく流れていた。数日前に降った雪が少しずつ溶けて流れ込んでいるだろうのか。

住宅地の中に立派な暗渠がつづいているが、家々の間を流れていて、暗渠沿いに歩くことはできない。暗渠の上も立ち入れないので、あちこちを縫うように回りこんで、横切る道から覗くことになる。地図上の変遷から推測すると、この区間に蓋がかけられたのは90年代以降のようだ。

暗渠の上は庭代わりになっていたり。
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橋の痕跡もあった。
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このあたりでは暗渠の中から水の音が聞こえた。雨水溝に集まった雪解け水が流れ込んでいるのだろう。周囲の住宅の屋根にはまだ雪が残っていて、溶け出した水があちこちで屋根に音を立てて滴れている。

途中、北側の支谷からの川の暗渠が合流する。こちらは桜丘3ー20まで遡ることができる。本流は、写真奥を左から右へと流れている。暗渠の蓋と家々の塀の間のわずかな隙間に、雑草が逞しく生えている
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徐々に世田谷通りに近付いてくると、開渠となっている区間が出現する。意外にも澄んだ水が勢いよく流れており、水沿いにも雑草が生えていて雰囲気は悪くない。左側からは、前回紹介した支流が合流している。こちらの支流もはっきりとした谷筋から流れ出しており、水が流れている。
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世田谷通りの下へ。ここより先は用賀まで暗渠が続く。
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通りの南側に、欄干が残っている。その向こうに暗渠が続いているのが見える。
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参考までに、用賀駅以北の谷沢川の流路地図(goglemap)

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by tokyoriver | 2010-02-13 21:55 | 多摩川の支流 | Comments(6)
「文京区本郷・菊坂の暗渠と井戸(東大下水)」の記事の後半でとりあげた、ポンプ式井戸。
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「20年前、初めてこの場所を訪れた時、この井戸はポンプさえなく、木の蓋がしてあるだけだった。そして井戸端には先端に木桶がぶらさがった2.5m ほどの竿が立てかけてあって、これを井戸の底に入れて水を汲んでいたのだ。」
と記したが、残念ながらその当時の写真がなく、現在の様子を示すにとどまった。

実は当時この場所を訪れたのは、高校の文化祭で上映するための8mm映画を撮影するためのロケハンがきっかけだったのだが、今回ようやく、その当時の風景が映る8mmフィルムをDVDにコンバートすることが出来たので、画像のキャプチャで紹介しよう。撮影は21年前、1989年の初秋。昭和から平成に変った年である。
(※動画で載せられればいちばんよいのだが、出演者に許可を得たわけではないので、顔がはっきりとは判らない画像を選んで静止画で掲載した。)


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まずは遠景。奥の路地から近所のお年寄りが歩いてくるのが見える。
井戸の向かいの家の扉が、現在と違い木造となっている。
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そして近景。井戸には木の蓋がされ、木の竿につけられた木の桶がその上に置かれている。
背後の柱に立てかけられているときもあったように記憶している。
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蓋を開ける。水位は地面よりは低かったと思う。
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中を覗き込む。澄み切った水をたっぷり湛えていた。
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水をくみ出す。
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くみ出した水を流してみる。水は冷たかった。
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映画ではこの後、細野晴臣の「恋は桃色」をBGMに、井戸のある路地と並行する路地を通り、鐙坂を上って、樋口一葉旧居跡前の木造家屋の間の階段を下り、一葉の井戸へと至るシーンとなる。

♪ここは前に来た道 川沿いの道
  雲の切れ目からのぞいた 見覚えのある町・・・

その中で、前の記事でも紹介した平屋の並ぶ路地の写真を最後に紹介しよう。ちょうど平屋に住むお婆さんが洗濯物を干している様子が写っている。今よりも平屋の家々が多く、植木鉢も多い。路地全体が今よりも生活感にあふれている感じがする。
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あらためて20年ぶりに映画を見てみると、脚本の、特にせりふの稚拙さには赤面モノで、聴けたもんではないが、ロケ先が多岐にわたっているのはわれながら感心する。本郷菊坂のほかに、根津界隈や国立の谷保天満宮の湧水、ママ下湧水界隈、つつじが丘の入間川流域、荒川区の荒川土手、渋谷、原宿、代々木、西麻布・麻布十番・広尾界隈、山梨県の韮崎、東北本線内、上野駅、駒込、春日、駒場・・・
われながらよくこれだけあちこちに行ったものだと思う。時はバブルのピーク。都内の景観が大きく変っていく中で捜し求めた、昭和と平成の狭間に残された風景達も多く含まれているが、今では菊坂の井戸のほかにも、更に風景が変わってしまった場所もあるだろう。そもそもすでに、8mmフィルムというメディア自体がとうに終焉を迎えているし。


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余談だが、16歳の古地図好き少女、というなかなか面白い設定の主人公の漫画を本屋で見かけ、買ってみたところ、そこの1話で本郷菊坂が舞台となっていた。暗渠好き、散歩好きならきっと面白い作品だと思うので、書評記事にリンクしておく。

「ちづかマップ」著:衿沢世衣子
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by tokyoriver | 2010-02-10 21:40 | 神田川とその支流 | Comments(6)
23区内唯一の渓谷「等々力渓谷」で有名な谷沢川。最近では九品仏川との河川争奪のエピソードも、タモリ倶楽部で取り上げられたりして知られるようになった。その上流部、東急新玉川線用賀駅より北側はほとんど暗渠化されている。ずいぶん前、世田谷ビジネススクエアがなかった頃に砧公園のそばまで辿ってみたことはあるのだが、それより上流はきちんと辿ったことがなかった。地図上で探索してみたり、庵魚堂さんの「世田谷の川探検隊」の記事などを見たりして、そのうちいってみようと思うことウン年。昨年秋にはlotus62さんの「東京peeling!」も記事にされていて開渠区間も健在なのがわかった。
で、先日ようやく全体をまとめて辿ることができたので、ちょっと記してみようと思う。他にもいろいろな方が詳しい記事を書かれているようなので、かいつまんだかたちにするかもしれないが、まずは桜丘宇山緑地のそばで、谷沢川に合流する支流から取り上げてみる。

世田谷通りの北側、環8と東京農大に挟まれたエリアが谷沢川の源流地帯だが、その中で桜丘宇山緑地のあたりは谷沢川が上流部で唯一開渠となっている区間だ。そこで合流している支流があるのだが、こちらも合流地点だけは開渠になってる。写真左側から流れ込んでいる方が支流だ。
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結構水が流れている。数日前に降った雪が少しずつ溶けて流れ込んでいるだろうのか。それともふだんからこれだけの水が流れているのか。
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合流地点のすぐわきの宇山緑地は遊水地で窪地になっていて、大雨のときは水が流れ込むという。緑地の一角には井戸もあり、地面は湿っぽい。lotus62さんの記事への庵魚堂さんのコメントによれば、最近まで泥沼だったとか。子供たちが作った雪だるまの残骸が残っている。
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支流はすぐに何の変哲もない歩道の暗渠となって、緑地のそばから西に延びている。上流に向かって遡っていく。お屋敷の前をくねくねと曲がる暗渠の歩道。等間隔に並ぶ車除けの棒とマンホールが、そこが暗渠であることを示している。
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しばらく進んでいくと蓋暗渠の区間になるはずのところで、工事をしている。老朽化した蓋の取替えのようだ。
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これは中をのぞけるかもしれない、と思い工事現場に近付いてみる。蓋を開けて工事をしているところを見てみると、何だか石積みが見えるではないか!コンクリート蓋の暗渠だから、てっきり中もコンクリート張りの水路だと思っていたが・・・
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作業員の方がバリバリに工事を進めてて、すぐそばには交通整理の人も立っているので、さすがにあまり近づけない。作業進行中の場所から少し上流のほうにいってみると、蓋に隙間があいているところがあった。
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覗き込んでみると、そこにあったのは玉石の護岸に囲まれ、澄んだ水がさらさらと流れる小さいながら立派な川だった!
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これ、ほんとに今でも蓋をする必要があるんだろうか?流路の脇は畑だし、下水も流れ込んでないし。蓋さえはずせば、国分寺の湧水群のあたりだといってもおかしくない風景になるのに、何とも勿体無い。

写真奥の、コーンで囲まれたところが、確認できる暗渠の上流端。そこを覗いてみてもかなりの水が流れている。これより先、水はどこから来ているのだろう。
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あんまり興奮しすぎて何度もこの工事区間をうろうろしていたら、交通整理の人に「なにか御用でしたらすぐそこに現場監督がいますのでどうぞ」といわれてしまった。そちらを見ると、軽トラにのって、携帯電話で話中のいかにもな親方が・・・
「いえいえ、川を辿ってるだけです・・・」と答えると、
「そうですか・・・・」と思い切りにっこり作り笑い。その顔には「アヤシイ」と書かれている。
退散、退散・・・・


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by tokyoriver | 2010-02-06 00:30 | 多摩川の支流 | Comments(10)

いいわけとお知らせ

しばらく更新が滞っておりますが・・・・
こんな本(ムック)に執筆させていただくこととなり、ここのところ大詰めを迎えておりました。
2月22日発売、112ページとのことで、うち、およそ3分の1ほどを担当しております。
出版社より情報オープンのOKが出ましたので(というか、アマゾンにちょっと前から載ってるし・・・)
ひとまず言い訳がてら記しました。
表紙や目次など、詳細が明らかになりましたら、また詳しく紹介させていただこうかと思います。
作業の方はほぼ片付きましたので、サイトの更新もそろそろ再開できるかと思います。
というわけで、ひきつづきよろしくお願いします。
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by tokyoriver | 2010-02-03 23:28 | お知らせ | Comments(9)