東京都内の中小河川や用水路、それらの暗渠、ひっそりと残る湧水や池をつれづれと辿り、東京の原風景の痕跡に想いをよせる。1997年開設の「東京の水」、2005年開設の「東京の水2005Revisited」に続く3度目の正直?


by tokyoriver

空川(2)一二郎池

空川の3つの水源のひとつ、一二郎池は、東京大学駒場キャンパスの東端にある。
三方を斜面に囲まれた典型的な谷戸地形の谷底に、細長い池が横たわっている。

かつては鬱蒼としてやや荒れた森に囲まれており、秘境のようだったが、
十数年ぶりに訪れてみると、ちょうど周囲を公園として整備中だった。
名称も学内の公募で、「駒場池(通称一二郎池)」となったようだ。



c0163001_21243248.jpg


谷頭側の薮が整備で切り払われ、谷頭から池が見えるようになっていた。池の中に見える橋は整備前からあったものだ。十数年前に訪れた時には、この橋の右側手前の斜面に土が露出しているところがあって、その割れ目から綺麗な水が湧き出していた。そして、谷頭は高原の湿地にあるような水生植物が茂っていた。ずいぶんと様子が様変わりしてしまったが、現在でも湧水は枯渇していないのだろうか。



c0163001_2125162.jpg


南側の、谷の出口側の様子はあまり以前と変わりなかった。池は土手によって谷を堰き止めてできているようで、もともとは川だったのだろう。土手を越えるとその南側にも窪地があり、東大の職員住宅が建っている。以前は空き地だったような記憶がある。この場所にも、古地図を見ると池が描かれている。この先、水路の痕跡はないが、かつて池から流れ出た水は、ここから井の頭線の下をくぐり、空川に合流していたようだ。




[PR]
# by tokyoriver | 2009-08-13 21:26 | 目黒川とその支流 | Comments(0)

暗渠のマンホール

川跡や暗渠を探索していると、時折、このようなマンホールに出会う。

c0163001_22152597.jpg


これは、砂川用水〜深大寺用水のもと梶野分水だった区間、梶野築堤近くの水路跡にあるマンホール。コンクリートの円の中、隅に寄って鉄板の円の蓋がある。無地なのがちょっと珍しいかもしれない。



c0163001_22154644.jpg


これは溝が谷を流れる北沢川支流にあるマンホール。さっきのよりも外側のコンクリートの円がやや大きい。やはり中の蓋は隅に寄っている。



c0163001_2216936.jpg


これは善福寺川の荻窪を流れる支流のひとつにあるマンホール。大田黒公園と杉並中央図書館からの小流が合流する地点。ここまでくるとかなり大きい。google mapの空中写真でも確認できる。

google map


調べてみると、どうやらコンクリートの部分と同じ直径のマンホールが埋められている様子。マンホール内の出入りには大きな入口は不要なので、このような小さい蓋との組み合わせになっているようだ。それにしても、暗渠や川跡でしかこのようなコンクリート部を見かけないような気がするが、なぜだろう。
[PR]
# by tokyoriver | 2009-08-09 22:35 | Comments(6)
東久留米市内から流れ出す黒目川とその支流たちは、都内の中小河川では珍しく今でもあちこちに湧水の水源が残っていて、川の水も綺麗で、かつての神田川水系や北沢川水系もこのような感じだったのだろうと思わせる。

そんな黒目川の支流のひとつ、西妻川。
東久留米駅(西武池袋線)と花小金井駅(西武新宿線)のちょうと中間にある滝山団地の一角、白山公園にその源流を発し、北に向かって流れている。
古い地図をみるともともとはもっと南まで谷筋と川が延びていたが、滝山団地の造成でなくなったようだ。

滝山団地は1960年代に造成されたマンモス団地だ。原武史「1974滝山コミューン」という70年代の団地の小学校に出現した奇妙な集団主義教育のルポが面白い。西妻川の湧き出す白山公園は、この団地の遊水地としてつくられている。





公園全体が谷底の平地となっており、いつもじめじめしていて、雨の多い時期には水浸しになるという。公園の中を歩いていくと、北に進むにつれ、草むらの中の土が湿っぽくなる。公園の真ん中にかかる橋を過ぎると、西側の隅からいよいよ水が湧き出し、川が始まる。


c0163001_052072.jpg


まるで田舎の田園風景の中を流れているように見える。


c0163001_05426.jpg


川は公園から流れ出した後は普通のコンクリート水路となり、黒目川に注ぐ。


c0163001_055930.jpg


この近辺には黒目川やその支流の出水川、揚柳川や落合川といった川の水源も集中している。
共通の地下水脈があるのだろうか。
[PR]
# by tokyoriver | 2009-08-06 00:09 | 黒目川・落合川とその支流 | Comments(0)

大刀洗川

赤坂から赤坂見附に向かい一ツ木通りを進んでいくと、下り坂が途中で上り坂に変わり、谷を横切っているのがわかる。その谷の底、立ち並ぶビルの隙間を覗くと、人一人が通れるかどうかの細い空き地が南西に向かって伸びている。これが「太刀洗川」の跡だ。高橋是清翁記念公園東側の窪地あたりに流れを発し、一ツ木通りの東側で、四谷鮫河橋から赤坂御所を経て溜池に沿って流れる鮫川〜赤坂川〜桜川に合流していた短い川だ。


c0163001_234786.jpg


大刀洗川についての史料はほとんどないが、戦国時代に著名な武将が太刀を洗ったことに由来するといった伝承が複数存在する。周囲の市街地化に伴い、江戸時代にはすでに下水と化していたようだ。明治時代初期の地形図にはしっかりと流路が描かれている。戦前の赤坂区史にも、下水の項にわずかに記述がある。

川跡は細く西に伸びる谷底、家々の隙間にひっそりと残っている。谷底にある浄土寺の庭園には池があり(非公開)、かつての川との関連を思わせる。


c0163001_2343738.jpg




[PR]
# by tokyoriver | 2009-07-31 22:55 | 渋谷川とその支流 | Comments(0)
京王井の頭線の駒場東大前駅と池の上駅の間を南北に走る深い谷「溝が谷」。
ここにかつて北沢川の支流が流れていた。

上流部は水路自体の痕跡はほとんどないが、北沢川と合流する直前の区間は
一部に暗渠が残っている。下水道台帳をみると、蓋掛けの区間は下水道に組み込まれて
おらず、「共溝渠(蓋掛け)」となっている。


c0163001_23394575.jpg


そして、淡島通りの淡島交差点近く、淡島湯の脇の路地にそった暗渠は、
「水路敷(区道扱い)」として記載されており、川扱いされているようだ。
たしかに小ぶりだがかなりしっかりした暗渠となっている。


c0163001_23401456.jpg




[PR]
# by tokyoriver | 2009-07-26 23:28 | 北沢川とその支流 | Comments(3)