東京都内の中小河川や用水路、それらの暗渠、ひっそりと残る湧水や池をつれづれと辿り、東京の原風景の痕跡に想いをよせる。1997年開設の「東京の水」、2005年開設の「東京の水2005Revisited」に続く3度目の正直?


by tokyoriver

空川(5)

空川の暗渠は、分流をあわせた後すぐ先で、淡島通りにかかる新遠江橋をくぐる。
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遠江橋を越えると、再び本流の東側に小さな暗渠が現れる。
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この暗渠は途中で山手通りに阻まれて消滅してしまうが、かつてこの辺りには精米所があり、そこの動力源の水車を回すために分水していたようだ。
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本流の方は、谷の一番低いところを道路となって南下して、山手通りと玉川通りの交差点に達している。
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これより下流の痕跡は山手通りなど道路の整備で跡形もない。かつては何本かに分かれて周囲の水田を潤した後、目黒川に合流していたようだ。
写真はかつての合流地点付近の目黒川。
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by tokyoriver | 2009-10-14 07:38 | 目黒川とその支流 | Comments(0)
空川は駒場東大前駅西口で、ケルネル田圃からの流れと東大駒場キャンパスからの流れをあわせ、東へ流れていた。以前は駅前のマクドナルドと花屋に挟まれたところに隙間があって暗渠があったが、現在暗渠がはっきりとわかるのはその先の一角からだ。
暗渠は谷戸の南縁、東京工業高校敷地北側の崖に沿って進んでいる。暗渠の上はしばらくの区間は立ち入り禁止となっていて、横切る道路から眺めるしかない。
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途中、通行できる区間の風景。
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一方、駒場東大前駅東口を経て東大に抜ける道を越えたところで、谷戸南縁の崖線沿いの暗渠のほかに、谷底中央を並行して東進する暗渠が現れる。恐らく二つの水路にはさまれた低地は、かつて水田だったのだろう。
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こちらはしばらく進むと車道となり、一二郎池からの流れと合流して谷の東側の崖下を進んでいく。大部分はすでに民間に払い下げられて建物が建っているが、暗渠の名残と思われる物件も見られる。
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こちらの水路には、すぐそばの丘の上を流れていた三田用水からの分水(駒場口分水か)も引き込まれていたようだ。山手通りと淡島通りの交差点の北西側から、その水路跡ではないかと思われる下り坂の道がある。道の中央には排水溝が通っている。(写真は下りきった地点から)
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by tokyoriver | 2009-10-08 23:55 | 目黒川とその支流 | Comments(5)

空川(3)ケルネル田圃

空川の3つの水源について、東大駒場キャンパス西の湧水、東大駒場キャンパス東の一二郎池ととりあげてきたが(タグの「空川」をクリックすると一覧が表示されます)、最後のひとつが駒場野公園内にある「ケルネル田圃」とその用水池となる。


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ケルネル田圃は近代農業発祥の地として有名だ。そして現在でも現役の水田である。谷戸地形の谷底に細長く水田が延びている。谷頭には水田を潤す用水池が作られており、水門から流れ出した水は橋を潜って水田に注ぐ。


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用水池は鬱蒼とした木々に囲まれていて、昼間でも薄暗い。本来の谷頭は用水地より更に北、井の頭線をこえて東大先端技術研究所の敷地内まで伸びていたようだ。用水池の水はもともとは湧水や雨水によるものだが、現在では公園の敷地内にある屋内プールで使った水の再生水を主に取り入れているという。


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水田のあぜ道に沿って、細い水路を水が流れる。渋谷から2駅とは思えない風景が広がる。かつては都内各地の中小河川の谷頭はこのような風景だったのだろう。


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水田を潤した水は、東端の雑草の生い茂る一角で暗渠に吸い込まれる。


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暗渠は線路沿いを自転車置き場となって進む。そして、駒場東大前駅西口の改札前で駒場キャンパスの湧水からの流れと合流する。


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by tokyoriver | 2009-10-01 00:18 | 目黒川とその支流 | Comments(3)

空川(2)一二郎池

空川の3つの水源のひとつ、一二郎池は、東京大学駒場キャンパスの東端にある。
三方を斜面に囲まれた典型的な谷戸地形の谷底に、細長い池が横たわっている。

かつては鬱蒼としてやや荒れた森に囲まれており、秘境のようだったが、
十数年ぶりに訪れてみると、ちょうど周囲を公園として整備中だった。
名称も学内の公募で、「駒場池(通称一二郎池)」となったようだ。



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谷頭側の薮が整備で切り払われ、谷頭から池が見えるようになっていた。池の中に見える橋は整備前からあったものだ。十数年前に訪れた時には、この橋の右側手前の斜面に土が露出しているところがあって、その割れ目から綺麗な水が湧き出していた。そして、谷頭は高原の湿地にあるような水生植物が茂っていた。ずいぶんと様子が様変わりしてしまったが、現在でも湧水は枯渇していないのだろうか。



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南側の、谷の出口側の様子はあまり以前と変わりなかった。池は土手によって谷を堰き止めてできているようで、もともとは川だったのだろう。土手を越えるとその南側にも窪地があり、東大の職員住宅が建っている。以前は空き地だったような記憶がある。この場所にも、古地図を見ると池が描かれている。この先、水路の痕跡はないが、かつて池から流れ出た水は、ここから井の頭線の下をくぐり、空川に合流していたようだ。




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by tokyoriver | 2009-08-13 21:26 | 目黒川とその支流 | Comments(0)
駒場東大前駅周辺の谷筋から流れ出し、目黒区大橋で目黒川に注ぐ短い小川「空川(そらかわ)」。
淡島通りの松見坂に架かっている新遠江橋はもともとその空川に架かっていた橋だ。
流路はほとんど全て暗渠になっているが、その源流は現在も生きている。

空川の水源は3箇所。
ひとつは東大駒場キャンパス東側の通称「一二郎池」。
もうひとつは駒場東大前駅西側の駒場野公園にある近代農業発祥の地「ケルネル田圃」とその水源池。
そして最大の水源が東大駒場キャンパス西側にある湧水だ。駒場東大前駅の改札を出てすぐのところに
このような清流が残っているのは奇跡的といってよいだろう。


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湧水は駒場小学校の下あたりから土管で流れ出て、しばらくせせらぎとなって流れ、暗渠となる。
数十メートルのわずかな区間だが、いつみても枯れることなくきれいな水が流れている。そのまま
下水に流しているようで、少々勿体無い気がする。



一二郎池には十数年前潜入したことがあるが、池を囲む土の斜面の割れ目から水が湧き出していた。
すぐ近く山手通り地下の高速道路の建設が進んでいるが、今も湧水は枯れずに残っているだろうか。

ケルネル田圃も現在では公園内のプールの再処理水を主水源としているそうだが、
水源池にはわずかながら湧水が残っているようである。
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by tokyoriver | 2009-07-15 23:30 | 目黒川とその支流 | Comments(2)