松庵川(1)幻の川
2009年 08月 30日
現在痕跡の残る流路は、雨水や排水、そして中央線を建設した際に湧き出た水を集める排水路だったといい、西荻窪では「大宮下大下水」と呼ばれていたそうだ。ただ、谷頭は神田川水源の井の頭池や、善福寺川水源の善福寺池、石神井川の主要水源三宝寺池と同じく標高50mのラインに位置しており、太古は湧水と、それを源とする川が流れていたのかもしれない。また、環状7号線の東側より先は、元々柳窪と呼ばれていた窪地を経由して流れており、自然河川の流路がそのまま使われているのかもしれない。
流路は全区間が暗渠化されている。最下流部を除いて道路に併せて直角に曲がっており、地図を見ているだけでは、まったく判らない。記されている文献もごくわずかで、ほとんどの人に知られていないいわば幻の川かもしれない。しかし、現地を歩いてみると流路跡やコンクリート蓋の暗渠が断続的にではあるがはっきりと残されている。最上流部にはごく一部だが、開渠すらある。何回かに分けてとりあげてみようと思う。
写真は神明通り沿いに残るコンクリート蓋暗渠。橋や、水路の柵も残っている。
もしかすると、千川上水から大宮八幡に真っ直ぐ続く道は上水で、そこからの分水を受けていたかもしれないなと思いました。