荏原台の川と水(2)洗足小池(大田区上池台)
2009年 10月 27日
写真は池の北縁を東西に掠める道路を東側の丘の上から眺めたもの。中央の窪地の左側に池がある。
洗足小池は、もとは農業用水として、湧水を築堤でせきとめてつくられた溜池だった。一説に因れば、更にそれ以前からこの場所に池があったという。昭和初期には釣堀となり、洗足池の施設と同じく、社団法人洗足風致協会が管理し、2004年まで営業していた。釣堀の営業終了後、大田区が整備し、2009年4月に公園としてオープンした。
大田区の2008年10月の湧水調査では、7箇所の湧水が確認されており、湧水量は合計毎分80リットルに及ぶ。実際に池の周りをまわってみると、4箇所ほど湧水が確認できた。もっとも水量がありそうなのが、池の北西の角の湧水。導水管からきれいな水が絶え間なく流れ出していて、まわりにはメダカや小魚が集まっている。
池の北東側の湧水は石組みになっている。ここからも水が流れ出し、池に注いでいる。
池の北東側には、石組みで囲まれた井戸のような湧水があった。どこから湧き出しているのかよく判らないが、澄んだ水がたまっている。
このほか、池の南東側にも導水管から湧水が流れ出していたが、水量はわずかで、周囲もあまり綺麗ではなかった。
池の南側は谷を跨ぐ築堤となっていて水門があり、水が流れ出す音が聞こえる。水門は釣り堀時代からあったものがそのまま使われているようだ。
水門の南側には深い谷が続いていて、南西に向かって暗渠が伸びている。
暗渠は草木が茂り家々の庭のようになっていて、入ることはできない。
下流側に回りこんでみると、道沿いの暗渠が出現する。右側の空間が暗渠のようだ。
このさきすぐに、小池小学校の敷地につきあたる。川をまたがるように小学校がつくられるのはよく見られるパターンだ。流路は小学校を南に抜けしばらく下った後、クランク状に曲がって道路沿いを流れていたようだ。道路沿いには、これも川につきものの銭湯が。おそらくこの前の歩道が流路。
しばらく下っていくと洗足池からの洗足流れ(池上用水)に出る。かつてはこのあたりで合流していたのだろう。現在洗足小池の水は下水に流されてしまっているようで、非常に勿体無い気がする。もとの通り、洗足流れを経由して呑川に流れるようにすれば、呑川の浄化にもつながると思うのだが・・・
ありがとうございます!
(2005Revisitedとの重複もあるかとは思いますが)。