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東京都内の中小河川や用水路、それらの暗渠、ひっそりと残る湧水や池をつれづれと辿り、東京の原風景の痕跡に想いをよせる。1997年開設の「東京の水」、2005年開設の「東京の水2005Revisited」に続く3度目の正直?新刊「東京「暗渠」散歩改訂版」重版出来!


by tokyoriver

谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった

23区内唯一の渓谷「等々力渓谷」で有名な谷沢川。最近では九品仏川との河川争奪のエピソードも、タモリ倶楽部で取り上げられたりして知られるようになった。その上流部、東急新玉川線用賀駅より北側はほとんど暗渠化されている。ずいぶん前、世田谷ビジネススクエアがなかった頃に砧公園のそばまで辿ってみたことはあるのだが、それより上流はきちんと辿ったことがなかった。地図上で探索してみたり、庵魚堂さんの「世田谷の川探検隊」の記事などを見たりして、そのうちいってみようと思うことウン年。昨年秋にはlotus62さんの「東京peeling!」も記事にされていて開渠区間も健在なのがわかった。
で、先日ようやく全体をまとめて辿ることができたので、ちょっと記してみようと思う。他にもいろいろな方が詳しい記事を書かれているようなので、かいつまんだかたちにするかもしれないが、まずは桜丘宇山緑地のそばで、谷沢川に合流する支流から取り上げてみる。

世田谷通りの北側、環8と東京農大に挟まれたエリアが谷沢川の源流地帯だが、その中で桜丘宇山緑地のあたりは谷沢川が上流部で唯一開渠となっている区間だ。そこで合流している支流があるのだが、こちらも合流地点だけは開渠になってる。写真左側から流れ込んでいる方が支流だ。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_034616.jpg

結構水が流れている。数日前に降った雪が少しずつ溶けて流れ込んでいるだろうのか。それともふだんからこれだけの水が流れているのか。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_035916.jpg

合流地点のすぐわきの宇山緑地は遊水地で窪地になっていて、大雨のときは水が流れ込むという。緑地の一角には井戸もあり、地面は湿っぽい。lotus62さんの記事への庵魚堂さんのコメントによれば、最近まで泥沼だったとか。子供たちが作った雪だるまの残骸が残っている。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_041216.jpg

支流はすぐに何の変哲もない歩道の暗渠となって、緑地のそばから西に延びている。上流に向かって遡っていく。お屋敷の前をくねくねと曲がる暗渠の歩道。等間隔に並ぶ車除けの棒とマンホールが、そこが暗渠であることを示している。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_042548.jpg

しばらく進んでいくと蓋暗渠の区間になるはずのところで、工事をしている。老朽化した蓋の取替えのようだ。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_043526.jpg

これは中をのぞけるかもしれない、と思い工事現場に近付いてみる。蓋を開けて工事をしているところを見てみると、何だか石積みが見えるではないか!コンクリート蓋の暗渠だから、てっきり中もコンクリート張りの水路だと思っていたが・・・
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_044545.jpg

作業員の方がバリバリに工事を進めてて、すぐそばには交通整理の人も立っているので、さすがにあまり近づけない。作業進行中の場所から少し上流のほうにいってみると、蓋に隙間があいているところがあった。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_045760.jpg

覗き込んでみると、そこにあったのは玉石の護岸に囲まれ、澄んだ水がさらさらと流れる小さいながら立派な川だった!
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_05618.jpg

これ、ほんとに今でも蓋をする必要があるんだろうか?流路の脇は畑だし、下水も流れ込んでないし。蓋さえはずせば、国分寺の湧水群のあたりだといってもおかしくない風景になるのに、何とも勿体無い。

写真奥の、コーンで囲まれたところが、確認できる暗渠の上流端。そこを覗いてみてもかなりの水が流れている。これより先、水はどこから来ているのだろう。
谷沢川上流部(1)暗渠の蓋を開けると、そこは清流だった_c0163001_051777.jpg

あんまり興奮しすぎて何度もこの工事区間をうろうろしていたら、交通整理の人に「なにか御用でしたらすぐそこに現場監督がいますのでどうぞ」といわれてしまった。そちらを見ると、軽トラにのって、携帯電話で話中のいかにもな親方が・・・
「いえいえ、川を辿ってるだけです・・・」と答えると、
「そうですか・・・・」と思い切りにっこり作り笑い。その顔には「アヤシイ」と書かれている。
退散、退散・・・・


Commented by 庵魚堂 at 2010-02-06 02:40
工事の人は、現場の写真撮られるとクレーマーかなにかだと勘違いするんでしょうね。

ところでここ、私の徒歩圏内です(←どこでも歩いて行くので信憑性がないな) ‥‥ウチから、バス停ひとつかふたつ分です。

それにしても懐かしい風景ですねえ。玉石の護岸。
石が白いままというのも驚きです。
Commented by lotus62 at 2010-02-06 14:03
うわっっ!!!!衝撃映像!!!!
工事が終わらないうちに私も見にいってこようと思います!!!すごい情報ありがとうございました!
開渠部分は、私が行った昨秋よりずいぶんしっかりした流れになってるようです。やはり雪解けの影響なのでしょうか。宇山緑地もずいぶん湿っぽいみたいす・・。
しかしほんとに蓋しなくってもいいのになー。至宝のような美しい川流れですねー。
Commented by tokyoriver at 2010-02-06 21:30
庵魚堂さん。
近隣住民のクレームと思われたのかもしれませんね。
護岸、かなり良い状態が保たれているように見えました。

Commented by tokyoriver at 2010-02-06 21:32
lotus62さん。
工事期間、2月25日までと書いてありました。
雪解け水だと少しずつ流れ出すので、かつて雨水が地面にしみ込んで
すこしずつ流れ出していたのと同じような効果があるように思えます。
Commented by lotus62 at 2010-02-07 15:14
行ってきました!
日曜で工事がお休みだったので、むしろ気兼ねなく写真撮れましたw あとで拙ブログに画像載せさせていただきます。
本当に、貴重な情報をありがとうございました!!!
Commented by tokyoriver at 2010-02-07 23:39
うわ、早っ!もう行かれたんですか。
画像楽しみにしております。
Commented by nama at 2010-02-08 12:16
うわわあ~、すんごいですね~!世田谷ってポッカリこういうところがあるんですね。
・・・水路の感じが、私の故郷のものとても似ています。なんか感動。
Commented by 庵魚堂 at 2010-02-08 17:58
私も見てきました。
生活排水が(たぶん)まったく流されておらず、そのせいでこれだけ綺麗な状態が保たれたのでしょうね。
そういう意味では、暗渠化(および下水道の普及)のおかげと言えるでしょうか。
再び封印されてしまうのはなんとも切ない限りですが、開けておけばおそらく汚されるのは避けられない‥‥二重に切ないです。
地元の人々に環境保全を呼びかける、なんていう方策もとれなくはないはずですが、世田谷の片田舎、という半端な土地柄が足枷になるかもしれません。

> それともふだんからこれだけの水が流れているのか。

開渠部分のほうはほぼいつも水が流れています。
ただしこちらは近隣の生活排水や、少し上流にあるセメント工場から漏れ出したセメントが沈殿したりして、数年前までそれはひどい状態でした。
最近はだいぶきれいになりました。(とはいえ定期的に浚渫しているというだけのことかもしれません)

つい長くなってしまいましたが、それだけいろいろ考えることの多い物件でした。ありがとうございました。
Commented by tokyoriver at 2010-02-08 23:09
namaさん。
そうですね、ちょっと地方の町とかにありそうな水路ですよね。
この辺りは畑とか、土蔵のある家とか点在してました。
Commented by tokyoriver at 2010-02-08 23:14
庵魚堂さん。
確かに開けておけばそこにゴミが捨てられたりするんでしょうね。
蓋をされることで、真空パックのように保たれて来たのかもしれません。
今回、この支流にしても谷戸川本流にしても、水がきれいだなあと
いう印象だったんですが、そんなに最近まで汚かったとは。
by tokyoriver | 2010-02-06 00:30 | 多摩川の支流 | Comments(10)