古戸越川(2)
2010年 06月 06日
ガードの北側には、階段で降りるようになっている暗渠の路地があった。
この暗渠は今度は横須賀線の土手(更にその上には新幹線の高架)に突き当たって行き止まりとなる。土手を覆うコンクリートには、もともとは川が抜けていたような痕跡がある。
ここも仕方ないので、ぐるっと横須賀線の西側に回り込んでみると、線路沿いにコンクリート蓋の水路が残っているではないか。継ぎ目に空気穴が2つある、ちょっと変わったタイプの蓋だ。たまにJRの線路脇にみられるような水路の蓋にも似ているが、それらよりもだいぶ幅が広い。
蓋暗渠の区間は30mほどで、すぐに真新しいアスファルトの敷かれた暗渠となる。
横須賀線からはなれ、住宅地へと進んで行く。
こぎれいなアスファルト暗渠は途中から、大谷石の擁壁、突き出した排水管、民家の勝手口といったアイテムの揃ったいかにもな暗渠になり、再び横須賀線の線路にぶつかる。その先は民家の私有地の中を通り、再度横須賀線の東側に抜けている。この私有地の中には、どうやら蓋暗渠が残っていそうだった。
横須賀線の東側。高架の直下から、暗渠の路地が続いている。
暗渠沿いの家の玄関の前に置かれた古い掘り抜き井戸の枠。この扉が使えないようにわざと置いてあるのだろうか。
古戸越川の暗渠は、三ツ木通りに出て終わりとなる。かつて写真右から左に向かって、東急池上線戸越公園駅近辺を水源とし、戸越通り〜三ツ木通りに沿って川がながれており、そこに合流していた。この川はさらに東で品川用水の分流をあわせ、目黒川に注いでいた(前回の段彩図を参照のこと)。
こっちの蛇窪は村の名前にまでなっていたんですね。
もっとうらやましいのが、”蛇窪支線”!
変わった蓋、気になります。排水に使われることはなかったんでしょうか。というかこの蓋、無くなっちゃう前に写真に撮りに行きたいです、ピンポイントででも(無くなっちゃう心配を最近どうもしちゃいます。。)。
こうしてレポートを拝見していると、ますますよい暗渠のように思われてきました。
途中、線路で何度も分断されているのも訪問時は残念に思っていましたが、それも味の一つに思えてきました。「反対側はどうなっているんだろう」みたいなワクワク感がありましたね。そう言えば(笑)。
小沢川の支流にも蛇窪、あるんですねぇ。蓋暗渠のところ、行き止まりで人も通らないのでしばらくはあのままだとは思いますが、思い立ったときにいっておいたほうがいいかもしれませんね。
蛇窪信号所のところがボトルネックになって湘南新宿ラインの増発ができないそうですね。上蛇窪村だったところにも浅い谷と川跡があって、どちらが蛇窪なのかはわかりませんが、古戸越川のほうがいかにもそれっぽいです。
そうそう、反対側にも果たして痕跡があるのかどうか、回り道をしてじらされる分、ワクワク感は確かにありますよね。